南海トラフ地震は本当に来る

絶対に来るぞと言われても、どうせ大丈夫と考えてしまうものです。

心理学では正常性バイアスと言います。

ですが、南海トラフ地震は間違いなくやって来ます。

生き残りたいなら準備して備えるしかありません。

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危険な兆候は腐るほど

「この先50年以内に90%の確率だとか
30年以内に70%の確率だとか言われたところで、
現実問題として
どのくらい南海トラフ地震が差し迫っているのか、イメージがつかないかもしれません。

何だかんだ言っても、結局来るはずがないと
聞き流してしまっている人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、南海トラフ地震は、目の前まで迫っている可能性があります」

地震学が専門の武蔵野学院大学・島村 英紀(しまむら ひでき )先生はこのように語っています。

前回発生した南海トラフ地震は1944年に発生した東南海地震(マグニチュード7・9)と1946年に発生した南海地震(マグニチュード8・0)の2つに分かれて襲いかかって来ました。

これらの地震が発生する前には
1925年に発生した北但馬地震(マグニチュード6・8)、
1927年に発生した北丹後地震(マグニチュード7・3)、
1943年に発生した鳥取地震(マグニチュード7・2)など
内陸部の地震が増加したようです。

「江戸末期の安政東海地震(1854年、マグニチュード8・4)と翌日の安政南海地震(マグニチュード8・4)の前にも、
和歌山県で先駆けになる地震が発生しています。

理由は未だに解明されていませんが、
南海トラフ地震が発生する数年~数十年前に西日本の内陸部で地震が頻発しています。

その事を考えれば、
阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震(マグニチュード7・3)や
淡路島地震(マグニチュード6・3)も
南海トラフ地震の前兆だった可能性があります。

南海トラフ地震へのカウントダウンは既に始まっているかもしれません」
(島村 英紀)

案外近い将来、
南海トラフ地震がやって来るかもしれません。

「本年度の4月、5月のデータを集計してみたところ、
4月後半以降、東日本大震災(3.11)の余震が急に減った地域がありました。

いっぽう、同時期にほとんど地震のない韓国・ソウルで地震が発生したり、
中国と北朝鮮の国境にある白頭山周辺で地震活動が活発になっています。

韓国で地震が発生するのはかなり珍しい事です。

1978年に韓国国内で観測されたマグニチュード3以上の地震は5回だけです。

日本だけを見ていても気付きにくいですが、
どうやら南海トラフを含む日本の近海で
大陸側の地殻の下に潜りこんでいるプレートの動きが、
朝鮮半島や中国にまで影響を及ぼしているようです」

(立命館大学高橋先生)

南海トラフ地震が発生すれば、
最大で震度7の揺れが町を襲って、
数分で30メートルを超えるような巨大ツナミに襲われる場所もあるでしょう。

 

南海トラフ地震が発生する前に
西日本の内陸部で地震

大都市圏の名古屋や静岡、更には大阪でもビルが倒れて火事になるはずです。

更にツナミが襲いかかって
とてつもない被害が生じるはずです。

政府は死者は32万人、経済損失およそ220兆円になると想定しているようです。

そんな事言われても全く実感が湧いて来ないという方も大勢いらっしゃるでしょう。

確かに、この数字は膨大過ぎてピンと来ないかもしれません。

東日本大震災(3.11)でさえ、死者・行方不明者はおよそ1万9000人だったのです。

経済的損失はおよそ17兆円で、
南海トラフ地震が発生した際の被害想定は東日本大震災(3.11)の約13倍です。

 

高層ビルから人間が落ちて来る

残念ながら、南海トラフ地震の恐怖は、首都圏にも襲いかかります。

東京湾の最奥部にある東京都の沿岸でも、
最大で3メートルのツナミが襲来すると
日本政府は想定しています。

太平洋に面している千葉では最大11メートル、
神奈川では最大10メートルのツナミが襲来すると想定されています。

ツナミは川や濠(ごう)を遡って、
排水路や護岸が崩れた箇所からも侵入してきます。

江東区や墨田区に広がっている海抜0メートル地帯で
大規模な浸水が起きてしまうと、
水をポンプでくみ出したりしなければ、町は水浸しになったままです。

このような事が想定される地域の地下鉄では
浸水対策が進められていますが、
もしも、東西線東陽町駅や都営新宿線東大島駅などで
地上の換気口や通信・送電線を通す穴から浸水してしまうと、
地下鉄のトンネルを通って
更に広範囲に水が流れこんでしまうかもしれません。

特別な対策を施していないビルの地下とか地下街に大量の水が流れこんでしまったら
水没して大勢の死者が出るかもしれません。

加えて、前出の島村 英紀(しまむら ひでき )先生は以下のように語っています。

「東日本大震災(3.11)が発生した際にも
新宿の高層ビルを大きく揺らして話題になりましたが、
ユックリと大きく揺れる、長周期地震動が物凄く恐いです。

南海トラフ地震が発生した際には
断層の動き方などの関係で、
東日本大震災(3.11)より大きな長周期地震動が東京や大阪の高層ビルに襲いかかるでしょう。

高層階では、5メートル程度揺れるかもしれません。

そうなるとコピー機や冷蔵庫が飛び回って、人間に直撃する可能性があります。

コピー機や冷蔵庫がビルの外壁を破って飛び出して来る事もじゅうぶんに考えられます。

人間も一緒になって落ちて来るかもしれません。

高層ビルを建築した当時は、長周期地震動の怖さなんて誰一人として認識していませんでした。

長周期地震動の怖さが知れ渡るようになったのは、つい最近の事です」

いっぽう、早稲田大学の濱田政則先生は、
東日本大震災(3.11)の際、千葉県浦安市の住宅街でたくさんの家を傾かせた液状化現象の危険性を指摘しています。

「南海トラフ地震が発生すれば、
首都圏で東日本大震災(3.11)を超える液状化現象が起きるかもしれません。

名古屋では伊勢湾で経済産業省が調査を開始しました。

東日本大震災(3.11)よりも震源が近くて、何倍も揺れるわけですから、
被害は更に大きくなるはずです。

万が一、伊勢湾のコンビナートで液状化が起きて、
タンクが倒壊して内容物が流れだして、火が移ってしまうと大惨事になってしまいます」

東日本大震災(3.11)が発生した際には千葉で石油タンクが爆発して炎上しました。

タンクの破片が4キロも離れた場所まで飛び散るほどの威力でした。

「政府は40億円かけて日本全国で調査を開始しています。

来年3月には結果が出るでしょう。

護岸の補強など、
実際に対策が始まるのは再来年あたりからです。

遅いと感じるかもしれませんが、
調査にはやはりそれなりに時間がかかります。

南海トラフ地震が発生するまでに20年~30年の時間があるという前提で進めています。

この1年~2年で南海トラフ地震が発生したら、間に合いません」

(濱田政則先生)

このように数えきれないほどの人の命を奪ってしまう可能性がありますが、
さらなる恐怖が待ち受けています。

南海トラフ地震が発生して、幸運にも生きのびる事が出来たとしても、
我々は220兆円にも及ぶ天文学的な金額の経済的損失に苦しめられてしまいます。

『東日本大震災(3.11)が起きた時も日本経済は大丈夫だったんだから
南海トラフ地震が発生しても問題ない』という考え方は
あまりにも短絡的ですし大きな間違いと言えます。

このように注意勧告するのは
一橋大学大学院の佐藤主光先生です。

南海トラフ地震が発生した際に大きな被害を被るエリアは、
トヨタなど日本経済を引っ張っている大企業が集中している地域だからです。

 

想像を絶するレベルの大増税

「大企業は本社機能や製造拠点を他の都市や海外に移してしまうなど、
事業を継続させるための方法をアレコレ考えているはずです。

ですが大企業に関わっている中小企業は
より深刻な事態に陥るはずです。

工場が無事だったとしても本社機能を失ってしまうと
命令を出す事が出来なくなって、
生産機能が麻痺した状態のままです。

特殊な部品の供給が滞ってしまうと、
長期間に亘って、製造をストップせざるを得ない製品が出て来る可能性があります」

(佐藤先生)

経済評論家の山崎元氏は、
南海トラフ地震が発生したら
GDPが20%~30%低下した状態が1年~2年の間続くかもしれないと指摘しています。

「問題は復興の財源をどうやって確保するかです。

東日本大震災(3.11)が発生した際には
復興国債による借金と復興増税が実施されたのはご存知でしょう。

地震による被害が10倍以上になってしまえば、
それぞれの規模も10倍以上になると考えるのが普通です」

南海トラフ地震が発生した際には、政府は復興増税として、
所得税、個人住民税、法人税などを上乗せして財源を確保する事になるでしょう。

おそらく1年で20万円程度の増税になるはずです。

前出の佐藤氏は以下のように語っています。

「大きな経済的なダメージを受けている最中に増税を行うと
日本経済全体に悪影響を及ぼしてしまいます。

それに震災後は直ぐに復旧・復興を開始しなければならず、
増税は時間をかけて行うべきです。

そうなると、
現実的に採用できる手段は借金という事になります。

国内は企業も個人も資金需要が逼迫しているでしょうから、
『外債』が中心になるでしょう。

関東大震災が発生した際も
主な復興財源には外債が活用されました」

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外債の発行額はどの程度?

東日本大震災(3.11)が発生した際に日本政府は復興国債を2012年度末までに約14・3兆円発行しましたが、
13倍すると約186兆円です。

この金額はGDPの約40%です。

「問題は金利です。

関東大震災が発生した際の外債は
金利が日露戦争当時に日本が発行した外債の利回り5%強~6%を上回る8%になって『国辱公債』とバッシングされました。

たぶん同じ様な事態になるはずです。

震災時の経済環境にもよるのですが、
現在のスペイン、イタリア国債並みの5%~6%になる事を覚悟するべきです」

(一橋大学大学院佐藤先生)

 

「日本で生活する」リスク

スペイン、イタリアと言いますと、
財政が悪化しているために破綻寸前と言われています。

25歳以下の失業率が50%近く異常としか言いようがありません。

日本は1流国の座から滑り落ちて、3流国に転落するでしょう。

いっぽう、震災で生産能力が低下して、国債を増発して金利が上昇してしまうと、
インフレが国民の懐を直撃します。

「どの程度のインフレになるかはハッキリとは言えませんが、
3%位は想定しても良いでしょう。

この事は年金で生活している人や預金を切り崩して生活している人にとっては大きなダメージです。

年金は物価スライドになっていますが、
震災後に予想されるような大幅なインフレには対応する事が出来ません。

日常生活にも困窮するでしょう」

(一橋大学大学院佐藤先生)

悲劇的な予測ですが、これでもまだマシなほうです。

南海トラフ地震が来なくても、日本の国債発行残高は1000兆円オーバーです。

GDPの2倍近くの金額です。

この状態で大規模な借金を重ねれば、
国債金利が急騰してしまい財政が破綻してしまう可能性さえあります。

地方自治体が公共サービスを停止・・
町には回収されていないゴミが溢れかえっている・・・
警察、消防、自衛隊が機能しない・・・
復旧・復興が全く進まない・・・

このようになってしまったら
社会福祉がどうのこうのなんて言っていられません。

今の状態でさえ、
財政運営が失敗したツケが社会福祉のカットに繋がって、
高齢者の医療費の窓口負担が大きくなったり、
年金の支給開始年齢が引き上げられています。

南海トラフ地震が発生すれば
年金廃止や医療費の全額自己負担はじゅうぶんにあり得ます。

「企業の国外移転が進んで、空洞化が進行するでしょう。

復興需要があったとしても、
全ての業種に恩恵があるわけではありません。

元々海外市場のほうが国内市場より発展の見込みがあって、
この際、海外に出て行こうと考えるのは当然と言えます。

生産拠点の一部ではなく、本社機能ごと海外に移してしまう企業も出て来るはずです」

(山崎氏)

更に、
会社が壊滅してしまって、やむなく廃業する会社の従業員や
農地・漁場を失う人達がいるので
大量の失業者が生まれてしまう事になります。

失業手当や生活保護の財源は追い付かないでしょう。

社会のセーフティーネットが麻痺するかもしれません。

南海トラフ地震は間違いなくやって来ます。

我々は今、日本に住みつづける事の絶望的なまでのリスクを突きつけられています。

いまから準備を開始するしかありません。

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