カルロス ゴーン逮捕!
セレブ経営者にありがちな
金銭感覚の罠!

日産自動車のカルロス ゴーン会長が逮捕されました。

五年間にわたって、
有価しょうけん報告書に自分自身の報酬を50億円近くも過少に記載したようです。

更に
会社の資金を私的な理由で使用したという疑いもあります。

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ニッサンは内部告発を受けて社内で調査しました。

しかし、
今回の“逮捕劇”にいたった経緯を見てみると、
十分な証拠が揃っているようです。

「10億円もの年収を得ていたゴーン氏が、何故このような事を……」
と思ってしまいます。

現実には、
その倍以上の収入を得ていたはずです。

カリスマが地に堕ちてしまった理由を考えてみます。

社内で調査した結果、三つの不正行為

カルロス ゴーン、グレッグ ケリーの二名について、
内部告発を受けて社内で調査した結果、
三つの不正行為を確認したようです。

神奈川県横浜市の日産グローバル本社で、
西川廣人社長が記者会見を開きました。

(1)ほうしゅう金額を有価証券ほうこくしょに過小に記載した

(2)目的をいつわって私的なことに会社の資金を使用した

(3)目的をいつわって経費を不正に使用した

これら三つの事案に関して専門家に意見を求めたようです。

『十分すぎるほど解任にあたいする不正な行為』と認定されたので、
木曜日に緊急取締役会を開いて、
だいひょう権を剥奪して、
会長の任を解いたようです。

ニッサンはその数時間前に、
以下のようなプレスリリースを出しています。

〈カルロス ゴーンに関しては、
会社の資金を私的に支出する等の
複数にわたる重大な不正行為が認められました。

グレッグ ケリーがそれらに深く関与している事も明らかになっています〉

準備周到な逮捕劇

地検も逮捕の経緯を発表しました。

「カルロス ゴーン氏は2011年(平成23年)三月期から2015年三月期までの報酬が実際には約99億9800万円でした。

にもかかわらず、
有価証券報告書に約49億8700万円と虚偽の記載した疑いがある」

カルロス ゴーン氏は19日、羽田空港にとうちゃくすると、
地検に任意同行を要求されたようです。

色々な方面からのやつぎばやの発表。

羽田空港で待ちかまえていた地検と新聞社。

今回の捜査はそうとう前から進められていたのでしょう。

周到な準備をした上での逮捕だと言えます。

 

アメリカのCEO(最高経営責任者)とは
10倍近い差

11月に行われた三菱自動車の決算発表を思い出しました。

益子修CEO(最高経営責任者)は記者会見で、
過去の不正問題に触れて、
このように発言しました。

「短期的な成果に、余りにもこだわり過ぎる風潮がありました。

それが『出来ない』『無理です』と言いづらい状況を作っていました。

利益を追求しながらも社員が不平不満を持たないようにしなくてはなりません。

もっと会社の中にユックリとした時間の流れがあってもいいと思います」

その言葉を聞いた時は
みょうに総括めいた事を言うな、と思いましたが、
今にしてみると、
その時は既にカルロス ゴーン氏の件を聞いていた可能性があります。

日本でトップレベルの収入を得てきたカルロス ゴーン氏が、
何故会社のお金に手をつけてしまったのでしょうか?

日本の経営者の年俸の低さが原因の一つと考えられます。

グローバル企業へのコンサルティング業務を得意とするウイリス タワーズワトソン氏が
日米欧5カ国で売上高1兆円をオーバする企業の2017年度のCEO(最高経営責任者)の年俸を調査したところ、
トップはアメリカで14億円。

二位が独(ドイツ)で七億二千万円。

次はイギリスで六億円。

フランスは五億三千万円。

日本はというと一億五千万円で最下位です。

アメリカのCEO(最高経営責任者)とは十倍近くも差があります。

 

地位と報酬の「不釣り合い」

日本で生活している分には一億五千万円なら十分すぎるほど「お金持ち」です。

しかし、アメリカやヨーロッパではその金額はトップの報酬としてはあり得ないほど安いのです。

今現在、ルノーの会長でもあるカルロス ゴーン氏は、
主にパリを拠点としています。

今や日本にやって来るのは「二か月に一回」程度です。

日本水準の年俸で欧州セレブの生活水準をキープしようとするのは、
無理があるのかもしれません。

因みに2018年度3月期の「年俸ランキング」では、
七億三千万円のカルロス ゴーン氏は14位です。

ルノー時代の部下だったディディエ ルロワ氏(10億2000万円・8位)より低いです。

因みにディディエ ルロワ氏は現在トヨタ自動車の副社長を務めています。

カルロス ゴーン氏は地位と報酬が「不釣り合い」だと感じていたのかもしれませんね。

お金を幸福の基準と考えている人からすると、
大切な事は絶対額ではありません。

周囲の人間との比較こそ大切なんです。

例を挙げると今回、羽田くうこうで任意同行を要求されたゴーン氏が乗ってきたのは、
機体に「N155AN」と書いてある日産のコーポレートジェットです。

「155」は「ISS」に似ています。

一見すると「NISSAN」に見えます。

いっぽう、
カルロス ゴーン氏と交友のあった大金持ち達はオーナー経営者が大半です。

彼らは自分専用のプライベートジェットを所有しています。

アメリカでシリコンバレーのトップ経営者が集まるカンファレンス等があると、
会場に近い空港は数えきれないほどのプライベートジェットで溢れかえります。

そのような場所にコーポレートジェットで乗りつけるのは、
ハイヤーがズラッと並ぶような超高級ホテルにタクシーで行くような気まずさがあるのではないでしょうか。

 

何故見抜く事ができなかったのか

NHKの報道によると、
ゴーン会長は正当な理由がないにも関わらずブラジル、レバノン等
世界4カ国で会社側から住宅の提供をうけていたようです。

住宅を保有している会社には何十億円も支払っていたようです。

数十億円は日本では「巨額」です。

ですが、プライベートジェットやクルーザーを当たり前に乗りまわしている人からすると「はした金」に過ぎません。

ゴーン氏の金銭感覚からすると、
「誰でも、そのくらいの事はやっている」という感覚だったのかもしれません。

常識外れと言えるカルロス ゴーン氏の“金づかい”を支えたのは、いっしょに逮捕されたグレッグ ケリー氏です。

ニッサン自動車の社員だったケリー氏は人事畑出身です。

カルロス ゴーン氏が日産とルノーのCEO(最高経営責任者)を兼務するようになったころから、
カルロス ゴーン氏との距離が近づいて行ったようです。

グレッグ ケリー氏は代表取締役であるにも関わらず、
業務の執行に関わる事がなかったみたいです。

「何をしていたのかよくわからない」とニッサン関係者はいいます。

セレブになる事を望んでいるカルロス ゴーン氏の気持ちを忖度(そんたく)してケリー氏が動いたのでしょうか?

それともカルロス ゴーン氏から指示があったのでしょうか?

今後の焦点はそこになるはずです。

内部告発があるまで「何故、見抜く事ができなかったのか」という事も重要です。

カルロス ゴーン氏は19年前、
日産自動車を立て直すためにルノーから乗り込んできました。

古くからの役員達を一掃して、「系列」を解体しました。

大ナタを振るう姿は日本人の常識を根底からくつがえしました。

そのカルロス ゴーン氏がこういった形で表舞台を去って行くのは残念でなりません。

日本の大企業のトップ達は、
「ほら見た事か」と溜飲を下げている事でしょう。

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